■土壌環境センター技術ニュースNo.18.           2011.2報告より 


●事例紹介
油含有土壌の原位置バイオオーグメンテーション適用事例 

【1】現状と今後
  これまでは汚染土壌対策措置の大部分を掘削除去が占めていた。今後は、掘削除去を抑制し掘
  削除去以外の対策比率が高まると予想される。

【2】目的
  低コスト   低環境負荷の浄化技術
          微生物等の働きを利用

          土壌・地下水の環境汚染の浄化を図る

現状は、発見された油含有土壌の大部分は掘削除去されているが、一般に掘削除去による措置は費用が高額になることが多く、措置過程で発生するCo
2の量も多いため、昨今の低炭素社会実現に向けての動きと逆行するものである。
また、搬出土壌が適正に管理されず不法投棄される事例もあると報告されている。

バイオレメディエーション  
バイオスティミレーション 現地に生息する微生物を活性化させて浄化を図る 
バイオオーグメンテーション  浄化能力に優れた微生物を外部から持ち込んで活性化させ浄化を図る 


 【3】安全性
  安全については、歴史的文献による評価とバイオセーフティレベル(日本細菌学会)BSL1(疾病
   をおこす可能性のないもの)に分類される判断、さらに、
ラット及びメダカを用いた動物実験におい
   ても毒性、病原性は認められず安全と評価できる。また、PCR分析で測定した結果、地下水への
   影響はなかったとも報告している。
   マックテクニカルシステムズで㈱は、油分(食べ物)が無くなったら微生物はほとんど死滅すると考
   えている。これまでの事例でも、バイオ処理後の跡地でミミズやモグラの棲息も確認されてい る。


マックテクニカルシステムズ㈱で使用している微生物は、
米国環境保護局(EPA)承認、米国農務省/食品安全試験認可、米国毒物管理法(USA TSCA)承認
  を受けている。

●輸入時に植物防疫法に従い植物防疫所(植物検査所)の検査合格証を受けた商品で人畜に害が無
  い。

●バイオ生剤は工業排水、家庭排水、厨房排水等に使用されていて、土壌より厳しい安全性が問わ
  れる 中、公共の食堂、レストランの厨房排水処理として広く使用されている。
●バイオ生剤に含まれている微生物はバチルス菌。明確に菌名を表明しているのはマックテクニカル
  システムズ㈱だけである。

【4】効果
  油含有土壌の原位置バイオオーグメンテーション適用事例では、トリータビリティー(適用性確認)
  試験方法で適用性を比較検討した。
  浄化効果は、42日目の測定において、バイオオーグメンテーションがバイオステイミュレーションの
  約2.5倍であった。
  油分濃度の推移から油含有土壌の浄化には、バイオオーグメンテーションが有効であったと報告
  している。
  試験開始前  3,900mg/kg~800mg/kg(42日)
  8か月の浄化目標達成を目指している

  マックテクニカルシステムズ㈱では、
最大90日(3ヶ月)、100mg/kgを設定しているが、社団法人
  「土壌環境センター」会員企業間で定めた油汚染土壌処理の
油分解浄化目標500~2000mg/kg
  
を参考にすれば浄化期間の短縮は大幅に変更されるものと思う。